DQM Jから始まる環境崩壊モンスターズの歴史 後編

(これ棒読みさせるだけで再生回数稼げそうだな……)

 

2 Proの続きから

 

 

はぐれメタルキング

 流行時はこのモンスターを所持しているのがステータスだった巨大なはぐれメタル。当作のAI2〜3回持ちの中で他の連中が呪文連打させてもらえない呪文役あるいはポンコツロマン砲であったのに対し、唯一のデメリット無しだった上、1500に近い賢さとスタンダードキラー、そして圧倒的なすばやさで呪文を放ち対策のない相手を消し飛ばしていた。マホカンタ持ちこそいたとはいえ、AI戦のメタゲームの中では母数が少なく、ゲモンやデスピサロが半数を切っていたたのも長期的な活躍に繋がった。また、そもそもメタル系に与えられたはじめての5スキルというカスタマイズ性は強弱問わず魅力的で、HPアップSPは確定として残りの4枠で呪文やサブの火力を確保しながらさまざまな対策のためにガードで固めるなどしていた。次作ではメタル対策進行によりマインド耐性やルカニ耐性を突かれる事が増え、ギャンブルボディが仇となったり、そもそも魔神斬りを撃ってくる相手が普通にオーバーキルしてくることもあり主に環境の面で姿を消した。

 

 

・みがメタ

 

 その名の通りメタル系モンスターに身代わりをさせることでほとんどの攻撃をシャットアウトしてしまおうという戦術。当作品からメタル系の守備力が大幅に増加し(例・メタルキングは999→1575)、耐久性能が向上。また当時はマインド耐性をとがめられることが比較的少なかったことから、使用されることは多かった。だが、当時、強力な特技の一つ『アンカーナックル』がみがわりを貫通するというえげつない機能を備えており、それが一つの向かい風だったと言えるだろうか。次作からは対策特技の増加や身代わり役の変遷がみられたがそれでも健在だった。

 

 

・最強ダースドラゴン

 

 当時のMサイズのなかで(全モンスター中でも)最も攻撃力が高く(1200、攻撃力アップSPをつければ1365)、低いすばやさを必中のアンカーナックルで補うなど、特にプリンスとのかみ合いが良かったモンスター。また『いきなり冥界の霧』で回復面を封じるため、一度落としたモンスターがザオリク等で復活して遅延されることを防げるという2枠アタッカーの中でも唯一性を持つモンスターだった。次作では他のモンスター達が比較的インフレ気味な中、攻撃力を下げられ(究極配合を経てなお1170)、『ときどきシャッフル』を持たされるなど、汎用面でのダメージを受け、また、2枠そのものが1枠の手数や3枠の火力に遅れを取ることが多くなり、対戦からは姿を消した。

 

 

・たいあたり

 

 前作ではザキ系だったので大したことがなかったが、当作品から無属性になるというすさまじい強化を受けた。この体技の効果は「当たった相手に現HPの30%~60%(+1)のダメージを与える」というものでなおかつ特性の『○○キラー』が乗る。反動こそ現HPの8割(+1ダメージ)という重いものだが、ギガギラー持ちの1枠がこれを3枠に当てようものなら、簡単に4桁ダメージをたたき出せる3枠にとっては脅威の技であった。この技は次作で最高の適合者「どんぐりベビー」に出会い、全国大会で相対する3枠のHPをおよそ9割削って勝負に大きく影響をもたらした。

 

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テリワン3D

 

 

・ムドー

 

 通常ではパッとしないが+値50でステータスを犠牲にAI2〜3回行動を獲得。眠りブレイクで眠り耐性ザルのS4あるいは2枠絡みの機能を停止させたり、ヒャド系のコツや吹雪ブレスブレイクを活かしたつなみを放ったり、リザオラルを後撃ちするなど、その使い方は多岐にわたり、それだけにスキル選択の幅は広かった。甘い息は大前提として、とりあえずいてつくはどうは低いすばやさを逆手にとって割り込みの選択肢を作ったりそもそもの効果が強いので確定枠、あとは前述の攻撃技であるつなみやオーロラブレスを確保する、あるいは本人も状態異常による停止を防ぐ、そこの選択がいろいろと分かれていくのは面白いところだった。最近でもテリワンSPにてトラウマを植え付けるムドーを確認している。

 

 

サージタウス

 

 戦術そのものはJ2時代からあったものの、もっとも正確に異常撒きができたのは当作品なのでここで紹介。特性に『こうどうはやい』と『れんぞく(4回)』を持ち、先手を取って能力低下や状態異常系統の斬撃(かぶとわり、マヒ攻撃等)を撒くことで対面の機能を停止させるのが主な使い方。なぜか当作品では賢さが高めに設定されているのでサブプランもある程度取れたり、そもそも特性で異常攻撃を乗せるのがかなり簡単になったので赤い霧でも停止しにくく、S4対面では無類の強さを誇り、多くのプレイヤーがジェイムと共にJOKERなどの『つねにアタックカンタ』持ちをパーティに1体欲しいと思うようになった原因のモンスターであった。だが真価を発揮したのは対戦ではなく勝ち抜きバトルという声もちらほら聞く。機械的な見た目や遺跡の古代兵器という一部の心を鷲掴みにする設定から強弱以外の観点でも大人気のモンスターだった。

 

 

・魔王ジェイム

 

 前作においてはみなごろしを用いたぽんこつロマン砲だったが大化けし、この作品においてルカニ耐性を否が応でも意識するようになった元凶。こいつの放つ『かぶとわり』は激減でも5割、半減以下なら必ず守備力を低下させる。そのため剣を持ったモンスターらしい戦術がそのまま使えた。その上斬撃面だけではなく、それなりの賢さがあるので呪文の火力もバカにならず、白い霧を回しているので手動のいてつくはどうが飛んでこないので本人はバフを積み放題で、アタックカンタを貼ればもともと属性耐性がかなり優秀なためにかなりしぶといし、その貫通を狙えばギャンブルカウンターを受けるリスクを背負う。相方は主にとさかへびやシャイニングなどが選ばれた。

 

 

メタルキング

 

 SASUKEでいうところの反り立つ壁として君臨していたみがメタ界最強のエース。自分から赤い霧を放つことでマインドに耐性を振らざるを得ない状況のなかかぶとわりを避けられる唯一性が非常に好まれた。主にタイムマスターの隣で使用され、身代わり役やごく希にだが妨害役としても用いられた。斬撃を封じるということで、その対策として真っ先に上げられるのがステルスアタックなのだが、基本的に相殺されていたり、体技予測で大ダメージを受けて自爆するなどもあった。S4なので非常に小回りも利き人気を博していたと言えるモンスターといえる。対策が相殺されることが多い中で一番使われたのは特性『パラメータブレイク』持ちにルカニ系の呪文を使わせることで突破する戦術だった。

 

 

黒竜

 

  最強の黒霧スターターとして君臨していたDQ9全滅の筆頭。ドラゴン系なのでマインドに強く、素早さが高いので究極特性として『こうどうはやい』がよく選択されていた。地味に攻撃力も高く、純粋にアタッカーとしても使われたが、やはり万能役として使うことで真価を発揮した。いてつくはどうは標準装備で、ギラ系特技の『ジゴスパーク』『ビッグバン』等や、相殺等にも使える『大地斬』、そして黒霧S4が扱いに長けている捨てゼロの〆となる『ラウンドゼロ』、後述の『メガザルダンス』をケアするための『冥界の霧』などを使って一気にたたみかける戦術の先陣を担っていた。当時のプレイヤーの中には「こいつとレオパルドがいなければ黒霧S4は成立しなかった」と考える人もいたとか。もちろん3枠の相方としても優秀で、優秀なすばやさがたいあたり等とかみ合い、全国大会準優勝の方のメインパーティで活躍を見せた。

 

 

・スライダークロボ

 

 前作では3枠のくせに2枠の竜神王にHPで敗北したり『しょうひMP×2』のせいでガス欠になるなど出番が存在しない観賞用モンスターに等しい扱いだったが、デメリットスキルが後天性になり、HPが700ほど増加するなどのすさまじい強化を受け、対戦環境の常連となった。特性一つ一つが非常に凶悪で、『れんぞく』『魔神攻撃』でメタル系を粉砕し、『ビリビリボディ』『カウンター』で斬撃役に圧をかけ、とどめに『いきなり冥界の霧』で回復によるコンシードも抑制していた。基本的には高い賢さを生かした呪文連打を軸に体技やブレスで詰めていくことが多かった。耐性も弱点こそあれど優秀で、状態異常は当然無効で、メラ系、ギラ系、炎ブレス系、吹雪ブレス系を無効化し、ヒャド系、デイン系も半減される。しかもスキルで呪文を獲得しながら弱点を埋めるのがそんなに難しいことではなかったので(最強○○&○○で同じ呪文の耐性が得られた)物理特殊どちらにも抵抗ができた。みしらぬ対戦ではメインパーティはもちろんのこと、スタンバイで別の霧のなか動いている光景も多く見られた。相方は同じ冥界の霧を放つモンスターはもちろん、メカバーンやJOKERなどとも組んでいた。入手がかなり難しいモンスターでも有名で、他国マスターの苛烈な攻撃に耐えながらスカウトするのが最も一般的だった。それ以外だと4体配合でしかも4体の内3体が配信やすれちがいでしか入手できないという鬼畜仕様であった。SP版では配合元も他国マスターが所持しており、田舎民に優しくなったが根気と運が不可欠となった。

 

 

メガザル(ダンス)

 

 自分の命と引き換えに、一定確率でスタンバイを含めた味方すべてを復活させHPの半分を回復する(上限は999)最強の回復呪文(踊り)。その確率は一体あたり、〈50+(使用者の現MP、メガザルダンスならHP)÷60〉%なので、メガザルならMP1500にMPバブル、メガザルダンスならHP2000にHPバブルで100%まで確率を上昇させることができた。主にみしらぬ対戦でS4のスタンバイにこの役回りを担ったモンスター(主にヌボーンやスラ忍)を仕込むプレイヤーが多かった。あまりに強く判定に大きな影響をもたらしたので、次作からは一度メガザル等の命を引き換えにした呪文や特技は一度使うと復活ができないようにされてしまった。

 

 ほかにも多数の戦術が存在し、時代の変遷と共にさまざまな駆け引きを見ることができた。最新作はそれなりに先になりそうだがドラクエ9のリメイクとともに一日千秋の思いで待っている。