DQM Jから始まる環境崩壊モンスターズの歴史 前編

 ドラゴンクエストモンスターズジョーカー、略してDQMJなんて呼ばれ方もする白髪鈍足ボーイのゲームから始まる本格的に対戦に対応したシリーズ。

 

 今回はこのゲームシリーズの中でも、対戦で暴威を振るった技、モンスター、あるいはそれらを絡めた戦術を色々と紹介していきたいと思う。因みにイルルカ以降は書けません。やってないので。

 

 

 

 

キラーマシン

 


初代超廉価Sランク。野良にいるそれほど難しくないレベルのモンスター2体で作れる。殴り性能は同じ2回行動のミルドラースに譲るものの、バランスのとれたステータスで大いに使われた。もちろん対戦でも使われ、対人戦なんかでは当時の上限値が1998だったマダンテをケアするためにメタル系、特にゴールデンスライムスライムマデュラなんかと組んでいる光景が多く見られた。

 

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 J2時代

 

 ・耐久魔神

 『ドラゴンクエストモンスターズジョーカー2』に登場する、『暗黒の魔神』を、スキルで攻守を強化し、『HP回復』と『体技封じガード』を搭載して物理方面をガッチガチにした構成。このモンスターの守備力はこのゲーム中1位、当時柔らかめだったとはいえメタル系を軽々凌駕する1250という数値を記録(2位は1240で当時のラスボスのオムド・ロレス)していた。このモンスターがAI戦では大いに暴れた。というのも当時は呪文や体技などで戦えるモンスターが実用の域に到達する例が限りなく少ない物理攻撃に依存する環境だった。『HP回復』にはなんと『スカラ』が収録されており、これにより守備力を倍増できた。スカラを自分にかけてしまうと、後述の物理攻撃役『おにこんぼう』ですら攻撃を通せない要塞ができてしまう。

この状況を見て運営もヤバいと思ったのか、直接の弱体化ではなく使ったプレーヤーの勝ち点を85%没収するというほぼ他ゲームでいうところの『殿堂入り』を果たしたり、次作『ドラゴンクエストモンスターズジョーカー2プロフェッショナル』では耐久が出来ないように『自動MPダウン』をつけられてしまうことになった。

 

・おにこんぼう

 同じく『ドラゴンクエストモンスターズジョーカー2』で猛威を振るった物理攻撃役。このモンスターは攻撃力が1枠中トップの999。これ以上となると1000に届く2枠群のみになる。しかもこのモンスターはサイズの大きい相手に対するダメージが増加する『ギガキラー』という特性を持ち、2枠には1.25倍、3枠には1.5倍のダメージが入る。そして当時はアタックカンタを持つモンスターが対戦環境で滅多に見ない(そもそも1体しかいなかったしHP460しかないモヤシライフなので通用しなかった)環境だったので倍率のかかる斬撃をどこかしこでぶっ放し、原作で量産型だったものとしては恐るべきスペックであった。もちろん放置されることはなく、次作ではすばやさの低下、『強者のよゆう』追加によって弱体化を余儀なくされた。そのため少なくともJ2P環境では見ることは少なかった。が、次作で一瞬で返り咲くという、短い懲役であった。

 

 

・AI2回行動(主にキラーマシン2)

 これもJ2環境のトップ。この特性を持つモンスターは命令を受けない限り(次作からは防御以外の命令の有無に関わらず)必ず2回行動する特性で、これらを持つモンスターは、なぜかやたらとステータスが高く、同じランクで見てもそれほどの差がなく対戦では誤差の範疇であったと同時に、この時のAI1〜2回行動持ちや、1〜3回行動持ちは複数回行動をする頻度が現在に比べて低く、不安定以前の問題であった。最もよく使われたキラーマシン2に関してはHP850という安定した体力と連続攻撃による安定したダメージ、そして行動回数から回復役としても動くという万能さを見せ、3枠でない限りは常に入れるかどうか考えさせられるモンスターであった。この次作からは行動回数の振り分けが同じ確率になり、当作と比較すると複数回行動するモンスターを見る頻度は高くなった。と同時にAI2回行動持ちの1枠モンスターたちは大幅にステータスを落とされ、酷いところだとキラーマシン2のHPが240も低下するという事態となりほとんどの場合デメリット特性(消費MP2倍や強者の余裕)を1体を除いて受けてしまうこととなった。ちなみに彼らの懲役もおにこんぼうと同じくらいに短い。

 

しっぷう突き

・真っ先に動いて通常攻撃の0.8倍のダメージを与える斬撃系特技。このゲームをしていて、とくに命令戦をよくやっていたプレイヤーに関してはしっぷう・ゼロというコンボを知らない人はごく少数に限られると思うが、この技はそれほどまでに悪名高いものだった。簡単に言えば、一方的に攻撃できるドラゴンクエストでは珍しいジャンルのコンボ。おにこんぼうやバベルボブル、ギガントドラゴンなどのしっぷう突きの後にレオパルドやオーシャンクローなどの速く動けるモンスターのラウンドゼロによって一方的にターンを終了させる。すると一体欠損を抱えた状態での戦いを強要されるようになるため非常に厳しくなった。次作でしっぷう突きは通常攻撃0.2~0.4倍に弱体化され使えなくなった一方でラウンドゼロには、対抗スキル「しっぷう・ゼロ封じ」が登場したが、ロクに対策になっておらず、すてみとあわせてまた使われるようになった。

 

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 J2p時代

 

・空裂斬(および「プリンス」)

 消費MP24で、敵全体にバギ系またはイオ系のうち弱点の方を換算して敵全体に通常斬撃の1.5倍のダメージを与える技で、これを2枠に持たせて、1枠のバイキルトを受ける戦法が多発した。ただ強力なだけならここまでの汎用性を持つことは無かったかもしれないが、この技の凶悪なもう一つのポイントは、この技を覚えられるスキルの圧倒的な汎用性であった。主にこの技を習得する時には、「プリンス」が使われたのだが、同時にアンカーナックル、てんいむほう斬、つるぎのまいが獲得できた超強力スキル。対戦ではもちろんどこからでもアンカーナックルや空裂斬が飛んでくる、挙げ句の果てにつるぎのまいは上限が300でまさしくプリンス黄金時代。次作からは空裂斬はMP140と行動不能型の重いデメリットを抱える事になった。またこれらの特技を主に用いていた最強ゲモンおよびサポーターの最強れんごく天馬は次作で赤い霧を自分から撒くようになったり、アタックカンタを剥奪されたり、異常耐性をとがめられるなどされた。

 

 

・アンカーナックル

 一番最後に動き、アタックカンタ貫通で通常攻撃の1.3倍のダメージを与える斬撃。上限9999。さっきも登場したスキル「プリンス」や、「はぐれメタルキング」、「じげんりゅう」などで習得可能。メガボディにバイキルトをかけて放つことで4桁を叩き出す。一番最後とはいっても倍率がとても高く、対メタル含め必中という恐るべき性能を持つ。なおかつリバースを使用するとターン開始時にこの重い一撃が飛んできて挙句にはラウンドゼロが決まるのであらゆる角度から環境を破壊した特技。次作からは上限値が999になりリバース下では0.2〜0.4倍というしっぷう突きと同レベルまで弱体化を受けるようになった。それでもなお、キングヒドラに使わせて大ダメージを与える戦術等が存在し環境でも健在で対策必須の記憶に残りやすい技だった。

 

 

レティス(黄色い方)

 正確には「最強レティス」最強ゲモンが暴威を振るうなかで、その影響を受けぬままアホみたいな強化をされた黄色い鳥。攻撃力アップSPをつけただけで攻撃力は1000を超え、守備力アップ3を積むだけで守備も1000に届く、そして何より恐るべきは特性「デイン系のコツ」「デインブレイク」の併せ持ち。当時のブレイクは無効でない限り強制弱点というムドーもビックリのヤクザ仕様。これによりデイン系が絡むらいじん斬り、ホーリーラッシュがアホみたいな火力を出す。記憶が正しければ斬撃は通常攻撃の倍くらいは出ている。しかもこれだけ暴れている3枠であるにも関わらず、3枠への対抗手段として使われていたギガマホトラが効かず、ガス欠を狙うのが非常に難しい。また地味にナチュラルバーンが回復して耐えようとする対面に睨みを利かせるのもタチが悪かった。次作からはブレイクが弱体化され、2段階低下に落ち着いた。また2〜3回行動の3枠たちが暴れるようになってからは鳴りを潜めた。

 

次回ははぐれメタルキングから